あなたが灯した星 0
ことば袋
ROUTE MAP — 読了 0/7
空が、この物語の地の文そのもので組まれている。少女の立つところだけが絵として残り、左上の一行には欠けが開いていて、そこへ「ことば」が置かれようとしている。
SOUND NOVEL PROJECT — 公式紹介

ことつぎの星— K O T O T S U G I —(仮題)

「君を、書き終えたくない。」
サウンドノベルハイファンタジー×SF マルチルート朗読ボイスプレイ時間 5〜8時間

OPENING MOVIE

主題歌「よみかけの星」。言継ぎで世界が書き換わるところまで、93秒で。

INTRODUCTION — 物語

星が堕ちる島がある。

大陸から遠く離れた辺境の島。ここでは時折、夜空から星が堕ち、 翌朝の浜に「言葉のかけら」が打ち上がる。 淡く光るその欠片は、道具を直し、灯りをともし、島の暮らしを支えてきた。

言葉拾いの少年は、いつものように夜明けの浜を歩いていた。
島始まって以来という大きな星堕ちの、次の朝だった。

浜に打ち上げられていたのは、いつもの言葉のかけらだった。

波打ちぎわ。倒れている少女のかたわらに、少年が膝をついている。
――息はある。名前だけが、無い。
「ねえ、きみ、名前は?」
「……ない、みたいだ。思い出せないんじゃなくて、たぶん、最初から」
「じゃあわたしとおそろいだね。――よし、拾ってあげる。この浜のものはぜんぶ、拾っていいんでしょ?」

少女は物語のことなら何でも知っているくせに、パンの食べ方ひとつ知らなかった。 彼女に言葉を教え、名前を贈り、二人で星の欠片を拾う日々。

飯屋の土間。少女が机の上のパンに、両手を添えたまま直接かじりついている。
「持ちあげて、ちぎる」――そこから教えることになった。

その静かな日常は、少女を狙う「王の猟犬」の上陸とともに終わりを告げる。
――なぜ常夜の王は、記憶のない少女ひとりを、国を挙げて狩るのか。
――そもそも星は、どこから堕ちてくるのか。

少年と少女の、世界の果てへの旅が始まる。

KOTOBA — 笑って、ためになる

この島の会話は、だいたい笑えて、ときどき効きます。本編から、そのままの抜粋を。

第2章「パン事変」より

ツヅク「待て待て待て。それは千切って食べるやつだ」

少女「ちぎる?」

ツヅク「……お前、生活の仕方を、ぜんぶ知らないのか?」

少女「たぶん。でも物語の型なら知ってるよ。序破急、三幕、円環、入れ子」

ツヅク「なんでそっちだけ知ってるんだ!」

少女「型は、おぼえてなくても言えるの。……たべかたは、言えない」

――覚えるというのは、丸ごと真似ることではなかった。

第2章「あさごはん」より

少女「あさごはん。あさごはん。……あさ・ご・はん」

少女「……ご、って、いつつ?」

ツヅク「五杯食う気か」

少女「ひるは、ひる・ご・はん。よるは、よる・ご・はん。ぜんぶ いつつ」

おかみ「一日十五杯だね。うちが潰れるよ」

――正しい理屈で店が潰れるのは、この島ではよくあることだ。

第1章「夜明けの浜」より

双子「ねえ、ことばちょうだい」

ツヅク「やらん」

双子「けちー!」

ツヅク「言葉は減るんだ。使えば減る」

双子「へらないよ。きのう言ったの、まだ言えるもん」

――減るのは、拾った言葉だけだ。自分の中から出てくる言葉は、いくら使っても減らない。
ただし、そっちは世界が聞かない。減らないものは聞かれず、聞かれるものは減る。

第1章・潮の名づけに「たぶん」と継いだ朝

ツヅク「今日の潮は――『たぶん』」

波が、退きかけて、途中でやめた。決まっていない潮というものを、この島は想定していない。

双子「へいわ」

ツヅク「平和なんだよ、決まらない日は」

――浜帳の一行目に書く。「たぶん。値なし。ただし誰も損をしない」。

SYSTEM — 言継ぎ(ことつぎ)

地の文の欠けに言葉を継ぐと、その場の世界が変わる
欠けに言葉を置くと、置いたとおりに世界が書き換わる。――輪の内側が、継いだあとの浜。

このゲームの文章には、ところどころ「欠け」がある。
拾った言葉を、欠けに継ぐ。――物語は、あなたの言葉で姿を変える。
▼ ためしに、言葉を継いでみてください

フィーネ
「きょうのわたしは、 な気分!
だからツヅク、朝ごはんは まかせた!」
変化スキット図鑑 0 / 5 収録 

そして――このページのどこかで光っている言葉のかけらは、拾える。
▼ 拾った言葉で、行き先を決めてください。正しい言葉は、地図にない道を開きます

ツヅク
岬の分かれ道。潮風が、言葉を待っている。
「今日は、 から行こう」
(ことば袋は空です——ページの中で光る言葉を探して、拾ってください)

✦ ROUTE「夜明け」開通

誰も歩いたことのない、夜明けの道。
その先に何があるのか——語り部さえ、まだ知らない。

※製品版では、この「言葉が道を開く」仕掛けが全編に張り巡らされます。 どの言葉が、どの欠けの鍵なのか。それを探すこと自体が攻略になり、 開いた道は右上のルートマップに刻まれていきます。

◆ 変化スキット図鑑

継ぐ言葉でシーンはまるごと別の展開に書き換わる。とんでもない一文が生まれたら図鑑に収録。全パターン収集に挑め。

◆ 言葉が、鍵

物語の分岐を開くのは選択肢ではない。「あの場面のあの欠けに、あの言葉を」――旅で拾い集めた言葉だけが、新しい道を拓く。

◆ 少女は言葉で育つ

あなたがフィーネに教えた言葉は、彼女の口癖になり、好きなものになり、あなただけの彼女を形づくる。

◆ 星図

読んだ物語と拾った言葉は、夜空の星座として灯っていく。――このページでも、もう灯りはじめていることに気づきましたか。

◆ 朗読ボイス

感情表現に対応した最新の音声合成による、しっとりとした「語り」の朗読と、フルボイスの掛け合い。

◆ マルチルート

共通ルートから分岐する3つの旅路と、その先に隠された真実の物語。すべての真実は、一つの結末へ収束する。

◆ 言継ぎは、目覚める

物語が深まると、あなたの手は「欠け」の外に届きはじめる。すでに書かれた言葉を書き換える力。書かれた事実を消す力。そして――世界の前提そのものに触れる力。
▼ その意味は、このページの最後で。

CHARACTER — 登場人物

島には、たいして人がいない。だからひとりずつ、顔を憶えていける。
▼ 表情をえらんでください。その人の顔が変わります

フィーネ(素)
ヒロイン

フィーネ

FINE

最大の星堕ちの朝、浜に打ち上がっていた記憶のない少女。物語の型には異様に詳しいのに、生活常識が全くない。教わった言葉を、嬉しそうに何度も繰り返す。

主人公

ツヅク

TSUZUKU
表情:——

辺境の島に暮らす言葉拾いの少年。現実的で世話焼きなツッコミ気質。名前を持たなかったが、少女が浜で拾った言葉「つづく」から名付けられた。
――彼にだけ、立ち絵がありません。用意し忘れたのではなく、置いていません。なぜかは、まだ言えません。

ばあちゃん(素)
島の人

ばあちゃん

OBAACHAN

飯屋の老婆。島の胃袋と小言をひとりで預かっている。名前の無かった少年に、いちばん長く飯を食わせてきた人。

鍛冶屋(素)
島の人

鍛冶屋

SMITH

拾われた言葉のかけらを、鍬に、錨に、鍋に打ち直す男。炉の前でだけ、めっきり口数が減る。

双子(素)
島の人

双子

TWINS

村の広場の主。遊びには名前が要る、と固く信じていて、名前のついていない遊びは遊びと認めない。

猟犬の隊長(素)
王の猟犬

猟犬の隊長

THE HOUND
表情:素のみ

常夜の王の命を受け、少女ひとりを狩るために島へ上がってくる男。任務のこと以外は、何ひとつ言わない。

常夜の王

KING OF ETERNAL DUSK

明けない黄昏の玉座から世界を統べる災厄の君主。芝居がかった悪の演説と圧倒的な力で、なぜかフィーネただ一人を執拗に追う。

???

語り

NARRATOR

この物語を朗読する、穏やかな声。章のはじまりと終わりに、少しだけ言葉を添える。

WORLD — 島のかたち

大陸の海図の、いちばん端。名前の要る場所だけに名前がついている島です。
風景はすべて 3D で建て、Blender で焼いた実景です。
光では場所は変えられない――同じ広場を赤くしても、金床の無い場所は鍛冶場になりませんでした。

夜明けの浜。遠くに小屋と、沖に停まった帆。
夜明けの浜星が堕ちた翌朝は、いつもここから始まる。波が返したものを拾って、端から端まで歩く。
漁村の広場。石と木で組まれた家々にはさまれた、明るい広場。
漁村の広場島でいちばん人の声がする場所。名前のなかった子どもは、名前のある大人にまぎれてここで育った。
飯屋の土間。暗がりに鉄鍋と机の影。
飯屋の土間湯気と、鉄鍋と、ばあちゃんの小言。パンの食べ方を教わるなら、たぶんここがいちばん早い。
夜の桟橋。水平線から月が出ていて、繋がれた舟が浮かんでいる。
夜の桟橋杭と、板と、繋がれた舟。堕ちてくるものを待つのに、島でいちばん向いている場所。
建物に囲まれた鍛冶場。地面が炉の色に照らされている。
鍛冶場ここの主は太陽ではなく炉。拾われた言葉が、道具のかたちに打ち直されて島へ返っていく。
灰色の浜。水平線の上に、見慣れない帆が並んでいる。
猟犬の来た浜同じ浜のはずだった。沖の帆が、朝のうちにいくつか増えている。
凪いだ夜の沖。水面に星が散っている。
凪の沖陸が見えなくなると、海が空の写しになる。上と下、どちらの星を見ているのか分からなくなる。
霧の海。海と空の境目が消えかけている。
霧の海水平線が、無い。ここから先については、島のどの地図も黙っている。
浅瀬の岸。椰子の影が水面にまっすぐ映っている。
名の無い岸まだ誰も名づけていない岸。――名づけてよい、ということでもある。

LAST PAGE — 最後の問い

物語の結末は、 のもの。

REWRITE — 世界の前提

条件を満たしたとき、あなたの手は「欠け」だけでなく、
すでに書かれた言葉そのものに届くようになる。
――この世界の、いちばん底にある一文で、試してみてください。
――この世界では、星は堕ちるもの。

閉じた書架

三つの空から拾った字を、順に継いでください。
――順が違えば、言葉にはなりません。
この物語は、まだ   

PLAY — 島へ

第1章「星堕ちの朝」と第2章「名前の話」が遊べます。
ブラウザだけで動きます。インストールは要りません。
島へ渡る →
音が鳴ります。はじめの一手で音声が解錠されます。
素材のクレジットは こちら